骨盤矯正は「骨盤のずれ」を戻すことではありません|全身から骨盤の動きを整える理由
この記事を書いた人:整体院心華 院長 西原(柔道整復師/大分市高城)
「骨盤がずれていますね」
「骨盤の歪みが腰痛の原因です」
このような説明を聞いたことがある方は多いかもしれません。
しかし、解剖学的に見ると、骨盤は単純に「ずれたから痛い」「正しい位置に戻せば改善する」というものではありません。
当院では、骨盤矯正を「骨盤の位置を無理に戻すこと」ではなく、「骨盤が自然に動ける状態をつくること」と考えています。
そのためには骨盤だけを見るのではなく、足関節・股関節・腰椎・胸郭・呼吸まで含めて、全身のつながりを確認することが大切です。
骨盤矯正とは「骨盤を正しい位置に戻すこと」ではありません
骨盤は1枚の骨ではありません。
- 左右の寛骨
- 中央にある仙骨
- 左右の仙腸関節
- 前方の恥骨結合
によって構成されています。
さらに上には腰椎、下には左右の股関節がつながっています。
仙腸関節にもわずかな運動はありますが、骨盤が大きく外れて、それを手で押して元の場所に戻すという構造ではありません。
そのため、臨床で重要なのは「骨盤がどこにあるか」だけではなく、「動作の中で骨盤がどのように動いているか」です。
例えば、
- ✓前かがみがしにくい
- ✓腰を反らすと痛い
- ✓片脚に体重を乗せにくい
- ✓歩くと左右差を感じる
といった状態では、骨盤そのものよりも、他の関節や筋肉の動きを骨盤が代償していることがあります。
つまり、骨盤矯正では骨盤の「位置」ではなく、「動きやすさ」を取り戻すことが重要になります。
骨盤の前傾・後傾・左右差は「結果」として起きることがあります
骨盤が前に傾いている、後ろに傾いている、左右の高さが違う。
このような状態を見ると、骨盤そのものに原因があるように感じるかもしれません。
しかし実際には、骨盤の位置や動きは全身の運動の結果として変化していることがあります。
例えば骨盤が前傾している場合でも、背景には、
- ✓股関節が後ろに伸びにくい
- ✓腰椎が反りやすい
- ✓胸郭が開いた状態になりやすい
- ✓呼吸の際に下位肋骨が広がりにくい
など、複数の要因が考えられます。
反対に骨盤が後傾している場合には、
- ✓股関節が曲がった姿勢に偏る
- ✓ハムストリングスが緊張しやすい
- ✓腰椎が丸まりやすい
- ✓胸郭が下がりやすい
といった特徴がみられることがあります。
つまり、「骨盤が歪んでいるから問題」なのではなく、「なぜその骨盤の位置や動きになっているのか」を見ることが重要です。
骨盤の動きに影響する5つのポイント
1足関節・足部
足は、立っているときや歩いているときに地面と接する場所です。
ここで起きた動きは、膝、股関節、骨盤へと連動します。
例えば足首の背屈が出にくいと、歩行やしゃがみ動作の際に身体を前方へ移動させにくくなります。
その結果、股関節や骨盤、腰椎で動きを補うことがあります。
また、足部の回内・回外の偏りも、下肢の回旋を介して骨盤の左右差に影響することがあります。
2股関節
骨盤と最も直接的に関係している関節のひとつが股関節です。
股関節には、
- 屈曲
- 伸展
- 外転
- 内転
- 内旋
- 外旋
といった多方向の動きがあります。
例えば股関節の伸展が制限されると、歩行時に脚を後ろへ送りにくくなるため、腰椎を反らしたり骨盤を前傾させたりして動きを補うことがあります。
つまり、骨盤だけを調整しても、股関節の動きが変わっていなければ同じ動作パターンを繰り返す可能性があります。
3腰椎
腰椎と骨盤は、動作の中で連動しています。
一般的に骨盤が前傾すると腰椎は伸展方向へ、骨盤が後傾すると腰椎は屈曲方向へ動きやすくなります。
そのため、
- ✓反り腰が強い
- ✓前屈時に腰ばかりが動く
- ✓立っているだけで腰が張る
といった方では、骨盤だけでなく腰椎との役割分担を見る必要があります。
骨盤が動きにくければ腰椎が動きすぎることがありますし、逆に腰椎が硬ければ骨盤や股関節で動きを補う場合もあります。
4胸郭
骨盤から離れているように見える胸郭も、姿勢や動作には大きく関係します。
胸郭は胸椎と肋骨によって構成され、体幹の回旋や呼吸に関わっています。
胸郭の動きが低下すると、本来胸郭で行うはずだった回旋や伸展を腰椎や骨盤で補うことがあります。
例えば胸郭が過度に開いている状態では、腰椎伸展と骨盤前傾が組み合わさることがあります。
反対に胸郭が下がって丸まりやすい場合には、骨盤後傾や猫背姿勢と組み合わさることがあります。
5呼吸
呼吸も骨盤の動きと無関係ではありません。
主な呼吸筋である横隔膜は、胸郭だけではなく腰椎にも付着しています。
さらに、横隔膜は腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群などと協調しながら腹腔内圧の調節に関わり、体幹の安定にも関与します。
呼吸が浅くなり、胸だけを大きく動かす呼吸パターンになると、胸郭や腹部の動き方が変化し、腰や骨盤周囲で動きを補う場合があります。
そのため当院では、必要に応じて肋骨の動き、腹部の動き、呼吸時の左右差なども確認します。

あわせて読みたい|股関節と骨盤の関係
骨盤前傾が強い方にみられることがある特徴
- ✓腰が反りやすい
- ✓お腹が前に出て見える
- ✓太ももの前側が張りやすい
- ✓股関節の前側が詰まりやすい
- ✓胸郭が前方へ開きやすい
この場合、単純に骨盤を後ろへ押すのではなく、股関節の伸展、腰椎の動き、胸郭、呼吸などを確認します。
大切なのは「前傾していること自体が悪い」と決めつけることではなく、必要なときに前傾・後傾の両方向へ動けるか、その動作で痛みや過剰な代償が起きていないかを確認することです。
骨盤後傾が強い方にみられることがある特徴
- ✓猫背になりやすい
- ✓お尻が平らに見える
- ✓ハムストリングスが張りやすい
- ✓股関節が曲がった姿勢になりやすい
- ✓腰が丸まりやすい
この場合も「骨盤を立てればよい」というわけではなく、股関節、腰椎、胸郭の動きなどを確認することが必要です。
骨盤後傾そのものを問題にするのではなく、その姿勢から必要に応じて動くことができるかをみていきます。
骨盤の左右差がある方にみられることがある特徴
- ✓片脚立ちがしにくい
- ✓片側の腰やお尻だけ張る
- ✓左右で股関節の動きが違う
- ✓歩き方に左右差がある
- ✓片側へ体重をかける癖がある
骨盤の高さだけを確認するのではなく、足部、膝、股関節、胸郭など、どこから左右差が生じているのかを確認することが大切です。
人の身体にはもともと左右差があります。そのため、見た目の左右差だけで異常と判断するのではなく、動作・可動域・荷重・症状との関連を合わせて評価します。
当院が考える骨盤矯正
当院では、骨盤矯正を「骨盤を正しい位置に押し戻す施術」とは考えていません。
大切なのは、
- ✓どこが動きすぎているのか
- ✓どこが動きにくくなっているのか
- ✓どの部分で身体をかばっているのか
- ✓どの動作で負担が集中しているのか
を確認することです。
そのうえで、必要に応じて、
- 足関節
- 股関節
- 骨盤
- 腰椎
- 胸郭
- 呼吸
- 立ち方や歩き方
まで含めて全体をみていきます。
つまり、当院が考える骨盤矯正とは、骨盤の「形」を無理に変えることではなく、骨盤が必要な方向へ自然に動ける「働き」を整えることです。
骨盤矯正を受けてもすぐ戻ると感じる方へ
骨盤矯正を受けた直後は楽になるけれど、しばらくすると元に戻ったように感じる。
そのような場合、骨盤そのものだけではなく、骨盤の動きに影響している身体の使い方や各関節の動きが残っている可能性があります。
例えば股関節の動きが十分でなければ、日常生活や歩行の中で再び腰や骨盤が動きを補うことがあります。
足首の硬さが残っていれば、その影響を膝や股関節、骨盤で補うこともあります。
胸郭が動きにくければ、身体を捻るときに腰椎や骨盤へ動きが集中する場合もあります。
だからこそ、骨盤だけを見るのではなく、「なぜ今の動きになっているのか」まで確認することが重要です。
まとめ|骨盤矯正で大切なのは「ずれ」より「動き」です
骨盤矯正というと、「ずれた骨盤を元に戻す」というイメージを持つ方が多いかもしれません。
しかし、骨盤の前傾・後傾・左右差は、足関節や股関節、腰椎、胸郭、呼吸などの影響を受けた結果として現れることがあります。
そのため重要なのは、骨盤だけを押したり、見た目の位置だけを整えたりすることではありません。
足元から股関節、腰、胸郭、呼吸まで全身を確認し、骨盤が必要なときに自然に動ける条件を整えること。
これが、当院が考える骨盤矯正です。
骨盤の違和感や姿勢、腰痛、股関節の動きなどが気になる方は、お気軽にご相談ください。
骨盤矯正についてよくある質問
大分市高城で骨盤矯正をお考えの方へ
整体院心華は、大分市高城にある整体院です。骨盤だけを見るのではなく、足関節・股関節・腰椎・胸郭・呼吸まで全身のつながりを確認し、骨盤が自然に動ける状態づくりをお手伝いしています。
| 院名 | 整体院心華(しんか) |
|---|---|
| 場所 | 大分市高城 |
| アクセス | 高城駅から徒歩1分・専用駐車場完備 |
| 施術時間 | 40分程度 |
| 料金 | 初回 2,980円/2回目以降 7,000円 |
この記事を書いた人
西原(整体院心華 院長)
柔道整復師(国家資格)/臨床歴17年以上・延べ60,000件以上の施術経験
大分市高城の整体院心華で、腰痛・股関節痛・姿勢の悩みなどに向き合っています。痛む場所だけでなく、足元から呼吸まで全身の動きを評価し、なぜその状態になっているのかを確認することを大切にしています。

